好きな人と喧嘩する理由
ミツル:「せっかく準備したのに、どうして急にキャンセルをするんだよ」
マナミ:「だって、仕方ないじゃない。急な予定が入ったんだから。わかってよ」
ミツル:「それにしたって言い方があるだろ」
ミツルはマナミのために旅行の準備をしたが、結局マナミに急用が入ったために準備が無駄になってしまった。
マナミも旅行を楽しみにしていたし、キャンセルを申し訳ないと思っていた。
なのに、喧嘩になってしまった。
お互いがお互いを好きで、そして思いやろうとしているのに、どうして喧嘩になってしまうのだろう・・・
■高くなる期待値
恋人にしろ、夫婦にしろ、基本的にはパートナーのことが好きで相手に対して思いやりの気持ちを持って接しています。
ところが、思いやりの気持ちを持って接していても不思議と喧嘩が起きてしまいます。
長いつきあいになれば、お互いに学ぶべき事は学んでいるのだから、喧嘩なんて無くなるはず、と普通に考えればなりそうなものですが、それでも喧嘩はなくなりません。
どうして喧嘩が無くならないのかというと、付き合いの時間が増えると学習以上に相手への期待が高まるからです。
■喜ばれたいという期待
それでは、パートナーへの期待にはいったいどんなものがあるのでしょう。
以下のようなものが挙げられます。
・せっかく相手のために行動したのだから、喜んでもらいたい
・今までやってくれていたこと以上のことをしてもらいたい
・がんばった部分を認めてもらい、褒めてもらいたい
人間には『欲』があり、この『欲』によってパートナーへの期待もどんどん膨れあがっていくのです。
特に「喜ばれたい」という期待はとても難しいものです。
相手のために行動しているのですが、その行動には『喜んでもらえる』という結果を望んでしまうのです。
相手が喜ぶことをするのはよいことなのですが、しかし、たまに喜んでもらえないこともあります。
そんなとき、行動した人は深く失望し、それが喧嘩の元になってしまったりするのです。
■定期的なリセット
人の『欲』というのは常に成長します。
仕事などの場ではその『欲』によって成果を作り出すことができます。
しかし、カップルや夫婦においては、際限のない欲は時として二人の関係を悪くするものになってしまいます。
ですので、定期的に『愛情の欲』をリセットすることを心がけましょう。
やることはとても簡単です。
パートナーがそこにいる。
そのことが非常に大切なことで、そしてパートナーがいるといるというだけで幸せだということを思い出すのです。
ただ、そこにいてくれるだけで幸せだったことを思い出せば、パートナーに対する期待もリセットされ、ちょっとしたことに感謝もできるようになりますし、相手に対して腹も立ちにくくなります。
残念なことに、カップルや夫婦の心の成長以上に、欲の成長の方が早いのが人間です。
しかし、定期的に『愛情の欲』をリセットすることでカップルや夫婦の成長の速度の方が早い状態に持って行くことができます。
このリセットの流れを作っておくと、いつまでも一緒にいることが幸せと言える関係を作り出すことができるのです。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する