人間・性差
男女の心理の違いについて講演を行うと、このような質問をする人が結構いらっしゃいます。
「男女の心理って違うのはわかるけれど、それって誰もが当てはまるワケじゃないと思います。そんなものを広げるのって危険ではないですか?」
なるほど、納得の意見です。
では、そもそも男女の違いってどういうものなのでしょうか?
■性差の位置づけ
人間の性格、性質を決めるものには以下のようなものがあります。
人間全体で共通の性質もあれば、性差によって決まるもの、地域文化や気候などから受ける影響、家庭から受ける影響、そして個性があります。
これらすべてがまざって、人間の性格が決まっています。
多くの心理学では、『人間』という層についての研究が行われています。
そのためか、男女の違いについてはこれまであまりふれられずに来ました。
■性差に注目する理由
人間全体に注目をすると、人と人との違いが見えづらくなってしまいます。
というのも、人間に共通する性格は誰しもが持っていることですから。
しかし、すべての部分が共通化というと人によって全然考え方が違っています。
よく「自分のしてほしいことを他の人にもやってあげるとイイよ」という言葉を聞きます。
これは「自分と相手が同じ」という視点で考えています。
しかし、自分と相手とは違う人間です。
自分がやってほしいことを相手がしてほしいとは限らない。
相手のしてほしいことを、相手の立場に立って考える。
これが大切なのです。
性差というのは(男性と女性に絞っていますが)、人と人との違いがかなり明確に出てきます。
性差を勉強していくと、「ああ、自分と相手とは違うのだな。相手はどうしてもらうと嬉しいのだろう」という思考に自然になっていきます。
私が性差を広めている理由の1つが、この「自分と相手の違いを知る」ことにつながるからです。
性差を勉強すると、自然と個性についても注目するようになるのです。
「『男心と女心』を読んでいていたら、彼(彼女)の言動に腹が立たなくなりました」という感想をいただくことがあります。
人と自分が違うってわかっていれば、「あ、そういうものなんだ」と自然に受け止められるようになっていくのですね。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する