道順の伝え方
タケシ:「駅から北に100メートル直進して、交差点で西に曲がって50メートルくらいで到着だよ」
アケミ:「へっ、えーーっと、よくわかんないんだけど」
ヨウコ:「その場所なら、駅からパン屋さんのある出口にでて、まっすぐすすんで、赤い看板の花屋さんで左に曲がって、定食屋さんを通り過ぎたくらいの場所だよ」
アケミ:「うん、わかった。アケミって道案内、得意だね」
タケシは自分の説明の方がシンプルでわかりやすいはずなのに、と思うのであった。
■頭の中の地図
男性と女性とでは、道順の覚え方が違います。
たとえば、一度行った目的地までの地図を覚える場合。
男性は、方角を中心に道順を覚えます。
だから、今度はちょっと違う道で行ってみよう、ということができます。
方角がわかっているので、少し外れた道でも目的地の位置をはずさず行けるのです。
女性は、ランドマーク(目印)を中心に道順を覚えます。
大きな建物、特徴のある看板と、左右の曲がり方を覚えます。
方角ではなく、「目印」と「左右」で覚えているのが特徴です。
だから、女性は地図を読むときに右に向けたり、左に向けたりするのですね。
■脳の部位
どうしてこのように違いが出るのかというと、男性と女性とで道順を考える際に使う脳の部位が違っているからです。
男性は、海馬を中心に使って道順を考えます。
女性は、大脳皮質を使って道順を考えます。
そもそも、脳の使っている部位が違うために、これほどまでに道順の考え方が変わってしまうのです。
簡単な道順を教えるのであれば、どちらの方法を使ってもかまいませんが、複雑な道順を異性に伝えるときには、男女の違いに注意してみてください。
男性には、方角をあわせて伝えると、理解してもらいやすくなります。
女性には、ランドマークをあわせて伝えると、理解してもらいやすくなります。
教え方の上手い人というのは、相手の特性をふまえた上で伝えます。
男女というのも特性の1つ。
道順を教えるという簡単なことでも、男女差を理解しておくと教え上手になることができます。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する