ハーレム状態?
タロウ:「『紅一点』の反対は『ハーレム』かぁ」
ヒロシ:「なかなか、シャレが効いてるだろ?」
タロウ:「でもなぁ、女ばっかりのところに男1人で入りたいと思うか?」
ヒロシ:「う゛、そ、それは・・・確かに厳しそうだな・・・」
■ハーレム状態2類型
大勢の女性の中に、男性が1人。
経験したことのない男性にとっては、ハーレムのように思うかもしれません。
ところが、実際は(人によっては)そうではなかったりします。
そこのところを見ていきましょう。
まず、ハーレム状態をパターンで分けると2種類になります。
(1)女性に好意を寄せられやすいタイプの男性がハーレムに入り込む
(2)一般的に普通の男性がハーレムに入り込む
この違いで、女性の動きが変わってきます。
(1)女性に好意を寄せられやすいタイプの男性がハーレムに入り込む
一見、男性がモテて、すごいハーレム状態になりそうなのがこのパターンです。
ところが、実際はその男性はそれほどモテない状態になったりします。
というのも、女性同士の間で「彼には手を出さないこと」という暗黙のルールができやすいからです。
そのうち、空気を無視してその彼とくっつこうとする女性が現れると、その女性が叩かれることになります。
全体として、グループの空気があまり良くならないのがこのパターンです。
女性だけのグループに、イケメン男性1人を放り込んでもグループ全体の士気はあまり上がらないのです。
(2)一般的に普通の男性がハーレムに入り込む
このパターン、実は組織で上手くいくパターンの1つと言われていたりします。
というのも、女性だけでグループを作ると派閥ができやすいのですが、男性が1人でも入ることによってその派閥化のパワーが薄れていきます。
女性のグループに普通の男性が入ってくると、グループ全体としての士気が上がります。
ただし、1つ要注意点があります。
それは「その1人の男性が女性の攻撃対象となる可能性がある」ということです。
どうしても、女性同士の空気を男性が読み切れないことによって「なんか、あの人空気読めないよね~」という感じで男性が見られてしまうことが多いのです。
ハーレム状態に向いている男性は
・いぢられるのが好きな人
・女性化できる男性
・まったく空気を読めない人 です。
・いぢられるのが好きな人
→人にツッコミをされるのが好きな人で、指摘されたり言われたことを自分にとっての笑いや快感にする能力のある人です。
このタイプの人が一番女性のグループに入るのに向いています。
・女性化できる男性
→女性に完全にとけ込むことができるタイプの男性です。女性同士が話をしている中で「そうだよねー、これかわいいよねー」と普通にできる・・・という男性、実は結構いたりします。
・まったく空気を読めない人
→「空気を読まない人(実際は空気を読む力がある)」ではなく、そもそも「空気を読もうともしない人」がおすすめです。
女性陣とのちょっとした敵対関係になりますが、本人が気づかなければ、問題無しなのです。(多少女性陣はイライラしますが、派閥化を防いだり、女性同士の連携が強くなったりと、良いことの方がたくさん起きます)
このように、グループとしてみた場合には「男女」の組み合わせはすごく重要な要因になります。
組み合わせによっては士気が上がったり下がったりします。
最適な組み合わせを知っておけば、グループを作るときに良い参考情報として使えます。
■補足 組織の心理学について
◆最近、『組織の心理学』というものが注目されています。
企業が入社試験で行う『心理テスト』も組織の心理学に関係しています。
同じタイプが集まると、どうしてもその組織は暴走してしまうもの。
その暴走を食い止めるために、異端分子を入れたり、まとめ役になりそうなタイプを入れたり、と心理の側面から判断していたりします。
◆例えば、とある心理分析手法では人のタイプを4つに分類します。
(1)新しいもの好きタイプ
(2)グイグイ引っ張るタイプ
(3)仲裁が得意なタイプ
(4)縁の下の力持ちタイプ
長期的にはこの4人の組み合わせをバランスよくすると、チームとして動きが良くなります。
◆短期では同じタイプが集まると、意見が一致しやすく一気に話が進むのですが、自分の苦手な作業や行動をしてくれる人がいなくなるので、長期で見るとマイナスになるのです。
◆たとえば、新しい物好きタイプだけだと、面白いアイデアはどんどんでてくるのですが、実際に実行するとなると最初は楽しんでいても、すぐにみんな飽きてしまいます。
グイグイ引っ張るタイプがいれば、実際にアイデアを形にするところまで持って行ってくれます。
しかし、グイグイ引っ張るタイプが頑張りすぎると、前進はするのですが参加者の総意よりも引っ張るタイプの意見の方に寄せられてしまいます。
そこで、仲裁が得意なタイプが入ると、全員の総意をまとめつつも、引っ張るタイプのテンションを下げないでいさせることができます。
ただ、このメンバーだけでは作り上げたものを維持する能力や、細かいことに気を付けてくれる人が足りていません。それをやってくれるのが縁の下の力持ちタイプです。
◆他の簡単な組み合わせでは「楽観的」な人と「少し悲観的」な人の組み合わせなども上手くいくと言われています。
楽観的な人がどんどん前に進みつつも、少し悲観的な人がリスク回避をする。
この組み合わせの場合、少し悲観的な人がいろいろと苦労をするみたいですが、グループとしてみると高い士気を維持したまま転ばずに前進できるのです。
◆このように、グループの作り方によっては生産性を上げたり士気を上げるする効果があります。
よく、入社試験の時に心理テストも一緒にやるのですが、これも人事の人が「自社にとって足りない人の性格パターン」「新入社員をバランスよく採用する組み合わせ」ということを調べるために使っています。
さまざまなタイプの組み合わせ関係は解説に時間がかかるのですが、機会があればまた、コラムとして書いていきますね。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する