常連の対応
トオル:「マスター、いつもの」
ここのトオルの行きつけのバー。
マスターは無言で『いつもの』ウィスキーを差し出す。
氷がグラスの縁に当たり、小さな音が響き漏れる。
そこには、ほんの少しの音ですら響き渡る静かな空間が存在した。
■常連扱い
たとえば、あるバーの常連になった。
たとえば、あるカフェの常連になった。
常連になると、店員や店長から特別扱いをしてもらいやすくなります。
常連としても、この『特別扱い』はうれしいもの。
でも、されてうれしい常連扱いには、男女差があったりします。
男性向けの常連あつかい、女性向けの常連扱いの違いを見ていきましょう。
■言わなくても通じる
男性が常連になると、「言わなくても通じる関係」になれたことに喜びを感じます。
たとえば、コンビニで「レジに並んでいたら何も言わなくても、いつものタバコを準備してくれていた」とか「バーのマスターに、『いつもの』と言ったら通じた」といったことに快感を覚えます。
男性が常連になると店長や店員は、戦友のような存在になるからです。
お互いに死線をくぐり抜けてきた、戦友。
戦友という関係になれば、黙っていても相手のことがわかる。
これが、男性にとって特別な関係と感じるのです。
店長が忙しくて困っていたときには、常連は店長にさっと目配せをし、「俺のことは後回しにしてくれ」という合図を送ります。
店長はその合図を感じ取り、常連に感謝をし、他の顧客に対応する。
常連男性は、戦友である店長と気持ちが通じ合ったことに満足する。
こういう関係を常連男性は築いていきます。
■エスコート重視
女性が常連客になると、他の顧客以上に『待遇を良くしてもらいたい』と考えます。
他の顧客が「お嬢様」なら、常連は「お姫様」の様に扱う。
このような特別関係を築くことが、女性の常連化につながります。
店長や店員が忙しくなったとき、男性客なら放って置いても問題ありません。
しかし、女性常連客の場合には放っておくことがマイナスに働きます。
女性の常連客は、常連なのだから私を優先して欲しい、と考えるのです。
女性店員なら、自然に伝わるところなのですが、男性店員にはわかりにくいのがこの部分ですね。
人付き合いの優先順位にも書いてありますが、男性は仲良く(身内に)なればなるほど相手の優先順位を下げますが、女性は仲良くなればなるほど相手の優先順位を上げるのです。
常連さんへの対応、男女で違いがあっておもしろいですね。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する