女心と秋の空
「女心と秋の空」
女心は、日本の秋の天気のように変わりやすい。
女心といえば、この言葉が出てくるというくらい、メジャーなコトバです。
実際、女性の気持ちはコロコロ変わります。
怒っていたと思ったら、話しているうちに泣き出した。
泣き出したと思ったら、なぜか安心して、笑顔になった。
女性のこういった心変わりに翻弄される男性は多いのではないでしょうか?
この女心。
女性の気持ちが、うつろい、変化していくのには理由があります。
女性は『感情の仮説』を立てているのです。
■感情の処理内容
女性にとって、感情は一種の結論のようなものです。
様々な情報があったとき、その情報を統合して、瞬時に判断して「感情」として自分自身の考えをまとめます。
感情を使うと、理性で考えるよりも多くの情報を取り扱うことができます。
理性的に考えた場合には、「仮説」→「仮説の検証」→「結論」という思考プロセスを経るために、大量の情報は処理しきれないからです。
女性の第六感は良く当たる、といわれているのもこの「感情」をベースにした意志決定を行っているからです。
感情を使うことによって、たくさんの情報を処理できるのです。
ところが、「感情」の処理にも1点、問題があります。
感情は「物事の重要度を判断する」のには向いていないからです。
大量の情報を処理するために、感情での処理は「情報も重み付けはしない」というルールが敷かれています。
「花束をもらった」という情報も、「荷物を持ってもらった」という情報も、同じレベルでとらえてしまうのです。(注)
この問題点を解決するために女性が持っている仕組みこそが、『重要度の補強』『仮の感情』というシステムなのです。
■重要度の補強
たとえば、「何か、決めごとをする場合」に女性は意志決定のために、感情を上手く使って判断をしようとします。
とはいえ、単に頭に入っている情報を処理するだけでは、自分自身が本来選択すべきことにならない場合が多いのです。
そこで、女性は「会話」をします。
会話の中で、自分にとって大事なことを何度も話すことになります。
同じようなことを何度も話していきます。
このように、繰り返し何度も話すことによって女性は「この情報は大事だ」という重み付けを自分自身にしていくのです。
感情は「花束をもらった」という情報も、「荷物を持ってもらった」という情報も同じ「うれしい×1」として処理をします。
「花束をもらった」という情報を自分の中で繰り返すことで、「花束をもらった」「花束をもらった」「花束をもらった」というように、3つの別の情報のよう
に自分自身に取り込みます。「花束をもらった」を三回繰り返すことによって「うれしい×3」という、重み付けの機能を持たせるのです。
こうすることで、女性は『感情』に足りない『物事の重要度を判断する』という能力を補強しているのです。
■仮の感情
さて、重要度の補強を行っている際に、もう1つ女性が行っていることがあります。
それが、『仮の感情』を表に出すという行為です。
『重要度の補強』にも決定的な弱点があります。
それは、重要度をいくら補強しても、結論は導き出せない、ということです。
どのレベルまで、自分で重要度を補強して良いのか、それを判断するのはシステム上難しいですよね。
そこでできたのが、『仮の感情』というシステムなのです。
女性は、話をしている間に、いろいろな感情を表に出していきます。
・話ながら、急に怒り出したり、
・話ながら、急に泣き出したり、
・話ながら、急にブルーになったり、
・話ながら、急に明るくなってきたり、
・話ながら、急に笑ってみたり。
さまざまな感情を表に出していきます。
というのも、女性は結論になる感情が定まっていない間は、『仮の感情』としていろいろな感情を表出させていくのです。
会話をしているうちに、女性は自分自身の感情をどんどん切り替えていきます。
最初は怒っていた。
次は、泣いてみた。
最後は笑っていた。
女性と話をしていて、こういう感情の波に翻弄されたことのある男性は多いかと思います。
なぜ、女性の感情がコロコロ変わるかというと、「まず、自分の怒ってみよう」とか「まず、悲しんでみよう」といったように、いろいろな感情を「試して」みているのです。
「試して」みた結果、しっくりこない感情であった場合、女性は話し続けます。
そして、重要度を再確認しながら、新しくわき出た感情を再度「試して」みます。
これを何度か繰り返した結果、「これはしっくりくる感情だ!」と女性が気づいたとき、結論とします。
これが「仮の感情」というシステムなのです。
女性はいったん感情を表に出して、自分にしっくりくるかどうかを試します。
そして、しっくりこない場合には、別の感情を再度探していくのです。
■だから、感情がコロコロ変わる
「女心と秋の空」
女性の気持ちがコロコロ変わって見える理由は、この『仮の感情』のシステムがあるからだったんです。
また、仮の感情を使う女性は、話をしながら心を整理していくプロセスをとります。
『女性の相談に答えてはいけない!?』のは、この仮の感情を出し切ってもらうためだったのですね。
でも、これで安心した男性も多いのではないでしょうか?
たとえ、女性が怒っていても、それは『仮の感情』なのかもしれないのです。
実際、じっくり話を聞いてみると、怒っていないことに気づかされたりします。
男性は、まず、じっくりと話を聞くと、女性の感情が整理されると言うことを知っておきさえすれば、男性側としても冷静に対処できるようになります。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する
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